ポスターでうまく情報が伝わるかどうかは、研究データを視覚的に分かりやすくできるかにかかっている。統計事実や比較なら、短い文章だけでも具体的に表せる。しかし、もっと簡単に、ひと目でわかるように表示するには、データを図表や写真の形にするのが望ましい。
統計情報は、図、表、グラフ、写真、地図、円グラフ、棒グラフなど、いろいろな形で示せる。
1.図表のスタイル
表やグラフなどのデータを提示すると、ポスター全体の外観にかなり影響を与える。どんなデザインにするにせよ、ポスターの中心要素は図表や写真である。しかし図表が多すぎると体裁上うるさく、混乱のもとになるだけなので、数は厳選しなければならない。いろいろな図表を組み合わせて情報を正確に伝え、見た目を面白くするだけでなく、大きさやスタイルもポスター全体のデザインに調和させたい。
図表の数はポスター1枚にせいぜい8〜10枚が適当だろう。図表の大きさは情報の複雑さによって決まるが、あくまで読みやすい大きさでなければならない。
図表などはポスターに活気を与えるようなデザインにする。効果的な表やグラフは、データに新しい命を吹き込み、データから読みとってほしい情報を捕らえやすく、飲み込みやすくする。図表を文章の中に埋もれさせてはならない。図表のまわりは白い空間で囲み、よく目立つようにすること。
2.図表の配置と構成
中心に置く最重要の図か表は別にして、図表はふつう文章と同じ幅で並べ、文章との間には余白を設ける。隣接する文章との間には必ず十分な空間を空けること。小さな図表も、そんな空間で囲めば、文章でびっしり囲まれた大きさ図表よりも見やすく、内容を伝えやすくなる。
図表は、できるだけ説明文の近くに置く。無理なら、番号をつけたり見出しをつけたりして、図表の位置がすぐわかるよう工夫するが、ともかく説明文の近くに置くのが望ましい。
3.番号づけ
図や表は、位置がわかりやすいように番号をつける。そうすれば文章中で「表1参照」「図3参照」のように引用できる。文章のすぐあとに図表を置けないときや、相互参照するとき、番号がついていると便利である。
4.タイトル
どの図表にもタイトルをつける。ポスターの統一性を保つため、大文字小文字の使い分け、標準体とボールド体の使い分けはすべて統一する。内容がひと目でわかるよう、見出しはできるだけ短くする。
5.キャプション
キャプションは図表の下か横に置く。同じ領域に同じテーマの図表をいくつも貼るときは、説明を一つにまとめ、不必要に繰り返さない。図表やキャプションそれぞれに番号がつけてあればすぐに探せるが、番号がないと、一目瞭然でない限り、キャプションの前に、上(above)、下(below)、中央(center)、右(right)、左(left)などと記さなければならない。
キャプションを本文とはっきり識別させるため、キャプションは本文より少し小さい文字で組む。本文に書いてある情報はキャプションで繰り返さない。ただし、キャプションに追加情報を加えて本文を補足するのはよい。
6.凡例とネーム
図の外側に書くキャプションと違って、図表内に書き込む説明には「凡例」と「ネーム」がある。文字サイズは図の大きさに関係し、小さすぎて図に埋もれるようではいけないし、大きすぎて図を小さく見せてもいけない。図の各部分にネームをつけると、本文のどこが図版のどこを説明しているかが明瞭になる。凡例は水平に組む。やむをえず垂直や斜めに組むときは、首をひねって読まなくてもわかる簡単な表現にする。
7.立体表現
立体表現を使えば図表に奥行きが出る。棒グラフや円グラフの形を少し手入れするぐらいでぐっとわかりやすくなり、ポスターの見た目もよくなるが、図表を安易にゆがめると、情報が誤解されかねない。たとえば円グラフを立体的に描くと、手前の扇形が実際より重く見えてしまう。
8.図表の選択
研究成果を理解してもらう上で、どのデータが重要かをまず見極めておく。データ一つ一つも、どんな形で表せばもっとも効果的か決め、ポスター全体のデザインとの調和も考える。
一般的に、単純な事実、量の比較、経時変化などは、図やグラフ化するのに適している。複雑なデータは、普通の表にするしかないが、ポスターにはのせず、必要なら別紙で提供する。
グラフにはいくつかの基本形と、さまざまな応用形がある。どんな形のグラフにするかはもちろん自由だが、同じデータでもグラフの形で強調点が変わる。どんな情報ならどんなグラフにするのがよいか、グラフの種類とそれぞれの特徴をよく考えよう。
9.写真
写真は人目を引くが、発表のテーマと結論に直結するものでなければならない。ボケがなく、1〜2m離れて見てもよくわかる大きさが必要である。重要な研究成果をひと目で説明する大きなつや消しカラー写真は、ポスターに注意を引きつける上で大いに役立つ。しかし、光沢のある小さな写真をたくさん貼ると、かえって来訪者の集中力を削いでしまう。本質に関係ない写真をたくさん貼るより、もっとも重要なものがすべて入っている一枚の写真を引き伸ばしたほうがよい。
10.サイズの調整
図表のサイズは文章より簡単に加減できるが、サイズを変えると図表の迫力も変わってしまうことを忘れてはいけない。また、チャートやグラフの大きさを変えたら、ネームのサイズも直す。図表を小さくするなら、縮小後にも読みやすいよう、ネームを大きくしておく必要がある。逆に、図表を拡大するなら、釣り合いがとれるように、文字数とサイズを小さくしておく。グラフに使う凡例とネームは、本文と同様、読みやすいものにする。
|